2014年9月12日金曜日

[記録]クリス事変について思う②:噂についての備忘録

以前noteにあげたクリス脱退の一連の流れについての個人的な記録をここに再録したい。全5回のうちの第2回。
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2014/05/19 03:52

週末の日曜日、クリス事変発生から3日が経った。
去った仲間の背中を厳しく断罪するインスタグラムを見た当日の夜は、何故か、機嫌の良さそうな黄子韬が、何か話したそうにこちらに向けて微笑んでいる夢を見た。
翌日、タイムラインに流れてきたクリスとタオの仲睦まじい姿を見て、自分が、微笑む彼らの姿を、あたかも永遠に続くとぼんやりと、そして浅はかに信じていたという事実を、突きつけられる。
ずっと開いてると思っていた花畑への扉は、本当に突然に、冷たく固く閉ざされてしまった。
予想外の時期に発生したクリス事変は、収束の気配を見せるどころか加熱の一途を辿っており、SNS上では今日も変わらず情報戦線と舌戦が繰り広げられている。

流言デマに関する噂とファンの反応

週末であった17日から18日にかけて、TLを確認する中で新たな流れを目にした。
昨日17日から活性化していた「浄化運動」に関連して、数々のファンサイトが次のような注意喚起をし始めた。
「故意に流されたEXOメンバー11人に対する悪質なデマを信じないように」
いじめや性暴力、薬物使用など、11人のメンバーに関するおよそ荒唐無稽なデマが流されている、という警告だった。
中国の某メンバーのファンが、中国の情報操作や今回の訴訟の流れを整理した文章(日本語訳: http://exo11.tistory.com/m/post/1 )が流通した後であることも作用したのだと思う、この手の声明は中国韓国のファンには勿論、日本ファンのネットワークにも流通し始めている。
デマの件に関しては、日本ファンは「浄化運動」(検索語をデマがらみの単語以外で入力すること)に協力はするけれど、その首謀者サイドとして糾弾されるクリスについての言及は未だ少ない状況。クリス、というより、「中国の」情報操作、というところに焦点が当たっているのかもしれない。でも、徐々にではあるけれど、クリスへの不信の声が見え始めている。
ただ、「12人に戻って」「帰ってくる」と発する声は減ったものの、「クリスがEXOの一員であった時代」を否定する者は多く見られない様子。
EXO=11か12か、というもう一つの問題についても「これから11人が前を向くならそれを応援するのみ」「11人を応援することと、抜けた1人をこき下ろすことはイコールではない」という立場を採っている者が、今のところの日本のファンの大多数であるように見える。
こういった日本ファンの態度は、韓国のファンや中国のファンの中心的な流れのどちらとも違っている。
日中韓でこの一件に対する立場が異なり、捻れていることはそれ自体興味深いし、韓国のアイドルグループにいる中国メンバーの脱退、という事態について妥当な事態の進展だと言えると思う。
自分は、日本と韓国の様子は大体において把握できるものの、中国語を解さないため中国の様子は友人からの伝聞に過ぎないのが心許ない。中国ではクリスの選択に対して歓迎・応援する旨の発言が見られるという。しかし、クリス以外メンバーのファンは、11人派陣営として、デマ拡散防止の浄化運動を熱心に日韓のファンに呼びかけている者も多い。
色々な言語で、多くのことばがやりとりされている。その内容は同じ対象についてであるけれど、全く反対のメッセージが、忙しなく行き交っている。
昨日から今日にかけて、韓国のファンサイトや個人アカウントが、次々に日本語で声明を出している。そのほとんどが先述の中国ファンの「状況整理」(中立を謳っているが、クリスを批判し11人の立場に立つ内容)のリンクを貼ったり、これからのEXOは11人であり、12人のEXOを求めてはならない、という旨であった。

「日本では、まだクリスのことを信じているファンが多いから。」
信じる、とは一体何を意味するんだったっけ。私は、誰の、何を信じているのだろう。

「誰々を、何々を信じないように。」
「信じないで」と言う後には、必ず「正しい真実」が付け加えられている。

…そして、クリスファンサイトのいくらかが、運営を終了する旨を表明した。

訴訟の時期と世論操作

今日に入って、訴訟の時期についても新たな噂が出回りはじめた。
とある「関係者」曰く、もともと、クリスの訴訟時期は1ヶ月前の4月19日に設定されていたという。珍島沖旅客船沈没事件が数日前に起こり、止む無く1ヶ月後に時期をずらした、というものだ(出処は韓国メディア)。
その記事には、クリスが訴訟を起こす前に「ブローカー」と接触した時期まで推測されており、彼の訴訟に至るまでの「用意周到さ」が強調されていた。一方で、クリス事変の第一報を報じたSinaを初めとする中国メディアでは、SMの非道さやクリスの健康状態の悪化など訴訟の背景に焦点をあてた記事が多いようである。
このように、クリスを、そしてEXOを取り巻く情報戦は、ファンの次元と大手メディアの次元を横断して、靄のかかった2つの城を競うように高く、高く建てようとしている。
個人的には、昨日今日出てきている情報戦に関して、11人サイドに関する劣悪なデマの類が、根拠に乏しい幼稚なものである点に疑問を持つ。クリス陣営が流しているとされる数々の流言は、それによってEXOを貶めるというよりも、むしろ対立構造を煽ってクリス本人を貶める結果を呼ぶ類のものであるように感じる。それが彼らの常套手段である、という意見にも、中国メディアに疎い自分からすると腑に落ちない。
そもそも、クリスサイドの目的が訴訟に勝つことにあるのであれば、証明すべき、もしくは大衆に周知させるべきはSMの「不当な扱い」についてのはず。無駄に11人のメンバーの個人的な中傷を流しても、ノイズが増えるだけで訴訟やクリス本人の大衆イメージにはさほど影響を与えないばかりか、返す刀で本人に悪いイメージが跳ね返ってくることは容易く予想できる。
もし、情報操作に長けたとするチームが11人メンバーのデマを流しているのが事実なら、こんな分かりやすい方法で果たして世論が操れるのだろうか。にわかには信じがたい。でも、これについては、もう少し時間を置いて確認することが必要なんだろう。
火のないところに煙は立たぬというけれど、「こう言っているらしい」「このように計画されている」といった伝聞ばかりが広まり、膾炙していく様子は、それがどちらの陣営に与する類の話であったとしても、火のないところに煙だけがあちこちに立ち、数多のファンがそれに踊らされているように見える。見えない炎に脅かされて、どんどんお花畑は煤けた灰色になっていく。
未だ、この事態に関するクリスを含めた12人からの発言は、メディアの記事やインスタグラムといった肉声以外のものに限定され、私たちファンは、確固たる拠り所を持つに持てない状況にある。
早く、確実な情報が欲しい。どうしてこうなったのか、今後どうしようと考えているのか。12人の本人と代理人らの公式声明を少しでも多く聴きたい。でも、きっと、一番知りたい情報は、声は、すでに失われてしまってこれからもずっと手にはいらない。
TLに流れるクリスの画像は、すっかり減ってしまった。編集されたファンアートの右下には、12人目の空白がやけに白く見える。

影を1体無くした寄宿舎で、あの犬の人形は、今夜も寂しく主人の帰りを待ち続ける。

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